「長野県が何地方に属するのか」という話題でインターネットが盛り上がっていた。
基本的には中部地方に属するというのが大方が支持する見解なのだろうが、しかし「関東甲信」として関東地方に入れる見方、また「信越」として独自の地方区分にする見方、はたまた「上信越」というカテゴライズも存在している。
日本の地方区分論争に最終的な決着をつけるべく考えていたのだが、ある一つの解を思いついた。
日本に10存在するJRA中央競馬場からの距離で、地方を10のエリアに区分するのはどうか。
早速、全国の市区町村の緯度経度データを入手し、競馬場からの距離で所属地域を分類してみた。下図がそれである。
順番に見ていこう。まず、札幌地方は、北海道の渡島半島を除いたほぼ全域を管轄する。わずかに室蘭市周辺が函館地方の管轄だ。
続いて函館地方であるが、北海道の渡島半島・奥尻島・青森県の全域と、秋田県北部、岩手県北部を管轄する。
秋田県の男鹿半島付近で函館地方と新潟地方が境界を接している。男鹿市は新潟地方に所属するが、大潟村は函館地方に所属。岩手県は盛岡以北が函館地方の管轄で、その他は福島地方に所属している。宮城県は全域が福島地方に所属する。
福島県は、福島競馬場を抱えながら、全域がその管轄ではない。西部の奥只見地区は、新潟地方に所属する。
栃木県と茨城県の北部は、福島地方の管轄であるが、それ以外は中山地方の管轄となる。栃木県の佐野市と足利市のみが、東京地方の管轄となっている。
首都圏の区分は、千葉県が西方に領土を拡大したような絵面になっている。南房総市のみが東京地方の飛び地となる。群馬県・神奈川県・山梨県は全域が東京地方に所属する。
静岡県は、静岡市を境に東は東京地方、西は中京地方となった。そして問題の長野県であるが、やはり3地方に分割された。松本以南が中京地方、そして北部飯山市周辺が新潟地方、残りは東京地方に所属する。また岐阜県は全域が中京地方へ所属する。
富山県は、東端部のみ新潟地方に、残りは中京地方。石川県は、能登半島先端部が新潟地方へ、残りは中京地方への所属となった。富山湾横断フェリーでも就航すれば現実的な分割だ。福井県は旧国の若狭と越前の境とほぼ同じ境界で、中京地方と京都地方に分割される。
いちばん複雑なのは現・近畿地方。三重県南端の紀宝町・新宮市が阪神地方へ。そのほかは、伊勢志摩地区を境に北は中京、南は京都地方。大阪から新宮まで直通の電車が、また近鉄の守備範囲を考えると妥当な分割ではある気もする。和歌山県は全域阪神地方。滋賀県は京都地方へ。
最後に瀬戸内海で小倉地方と阪神地方が境を接する。
現実的には飛び地が設定されてしまったり、実際の所要時間を調べたりすればより現実的であろうが、そこまでの労力を割けなかったことをお詫び申し上げる。
しかし、実際調べてみて、静岡県が静岡市以西で東京・中京に分割されたり、松本以南の長野県が中京管轄になったり、結構現実的な区分でもある気がした。