よく、ニュースなどで「明治から令和まで5つの元号を生きた~」のような題目で高齢者のインタビューなどが紹介される。
確かに5つもの元号を生きるのは凄い。しかし、日本では昔はもっと頻繁に改元があった。
そこで、日本に生まれた人は最大何個の元号を生きることができたのか、理論値を考察してみた。
まず、100歳まで生きた非常に長寿の人がいると想定する。
この人が、生まれてから死ぬまでに何個の元号を生きたか、計算してみた。
下の図は、ある年から100年後までに何個の元号があったかを表したグラフである。
12世紀にピークを迎えていることがわかる。最大値は43個で、これは1140年(保延六)に生まれ、1240年(仁治元)に死去した場合だ。この場合の生きた元号の一覧は下記の通り。
保延・永治・康治・天養・久安・仁平・久寿・保元・平治・永暦・応保・長寛・永万・仁安・嘉応・承安・安元・治承・養和・寿永・元暦・文治・建久・正治・建仁・元久・建永・承元・建暦・建保・承久・貞応・元仁・嘉禄・安貞・寛喜・貞永・天福・文暦・嘉禎・暦仁・延応・仁治
末期院政や鎌倉幕府が改元しまくった結果が如実に表れたといえよう。
では、人間の長寿の理論値(現時点では、フランス人女性ジャンヌ・カルマン(1875~1997)の122歳)ではどうか。下は先ほどのグラフのパラメータを100⇒122にしたものである。
やはり、12世紀がピークのようだ。最大値は51個!で、これは1140年(保延六)に生まれ、1262(弘長二)に死去した場合に該当する。上記の元号に加え、寛元・宝治・建長・康元・正嘉・正元・文応・弘長の8つが加わった形だ。
<今回のまとめ>
・日本史上、最も多くの元号を生きた人は、40個以上の元号を生きた可能性があり、その理論値は51個(1140~1262)である。